第10問

きょうすけ

2008年01月11日 21:20

【第10問】
平安時代中・末期に浄土思想のもと浄土庭園が造られ
たが、その様式の庭園ではないのはどの寺院か。

ア、西芳寺 イ、法金剛院 ウ、浄瑠璃寺 エ、平等院

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【第10問】

< 解答 > ア、西芳寺

< 解説 > 平安初期から始まる庭園の大きな流れは、古来より湿地帯の多かった京都において、まずは自然を生かす形で建物が建てられ、その風景を楽しむ池泉回遊式や池泉鑑賞式という形からスタートする。 現在は大覚寺の大沢の池や二条城南の神泉苑などに残る。
 その後広まった浄土思想はこの流れを発展させ、さらに庭園に面して仏像を安置するお堂を建てた。 法金剛院平等院はその代表例である。 浄瑠璃寺は京都と奈良の県境に位置する。 人里はなれた場所にあるが、特別名勝・史跡に指定された庭園を挟んで本堂( 国宝 )と三重塔( 国宝 )が向かいあう、浄土式庭園の貴重な遺構である。本堂内部の9体の阿弥陀如来坐像( 国宝 )もこの時代盛んに作られたが九体仏として残っているのはここだけである。
これらに対して、西芳寺( 別名 苔寺 )は夢窓疎石によって作られた禅宗の枯山水庭園である。 自然をあるがままに生かすこれまでの手法から、心に描く自然を形にしていくようになる。 大小の石、白砂、木々との組み合わせで、その世界観を演出していく手法が考案されたことで、独自性が高まり庭園文化の隆盛期を迎えることとなる。 こういった庭園と向き合う時は必然的に自分自身と向き合う姿勢が必要とされ、その姿勢が自己鍛錬を重ねるのを旨とする武士階級の支持を受けたのである。
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